令和4年度 第10号

生活時程の見直し

                      校長 住吉 豊 

 最近、新聞やテレビ番組等で、海外で働く日本人が増えてきたというニュースをよく目にします。先日は、NHKの「クローズアップ現代」という番組でも取り上げられていました。

 興味が少し沸いたので、昨年10月に発表のあった外務省の統計を調べてみました。現在、海外で暮らす日本人の数は長期滞在者が約75万人、永住者が約56万人弱だそうです。コロナ禍のため、ここ3年で10万人ほど減少しているものの、平成元年の頃の長期滞在者は約34万人、永住者が約24万人であり、比べるとなんと34年間で2倍強になっています。長期滞在者の多くが現地の企業などで働く方やその家族。また、留学生等でしょうか。ちなみにこの統計資料は国別や都市別の順位もあり大変参考になります。在留邦人の多い国1位から7位まではここ4年変わりません。1アメリカ、2( 1 )、3オーストラリア、4タイ、5カナダ・・・どういう理由でその国に多いのかはよくわかりませんが、世界の金融の中心や生産工場と言われているところ。資源国、日本の商社や金融、製造業と関わりの強い国であろうことは何となくわかります。(ちなみにちょっと日本人の多い都市を挙げると

1( 2 )、2バンコク、3ニューヨーク、4上海、5ロンドン…だそうです)※(1)国名・(2)都市名に入る言葉を考えてみてください。答えは最後に書いてあります。

先に挙げたNHK番組では、企業等の仕事で長期の滞在をする方ではなく、短期のワーキングホリディーの資格で海外に渡る人が増えてきたというのです。これらの人の中には日本で看護師や介護士、小学校の先生などとして働いていた人達が、日本での仕事を辞めたり、大学を休学したりしてワーキングホリディーの資格でオーストラリアやニュージーランド、カナダでアルバイトをしているのだと紹介していました。理由は様々でしたが、一番にはアルバイト料が高いからだとのこと。日本で正規職員として勤務していた時の、倍以上給料が出るとの話がびっくりでした。もちろん、海外ではラーメン一杯が2000円から3000円もする国もあるようで、非常に物価が高いことにも驚かされます。仕事を辞めてまで移住した理由についての質問に対して、日本での賃金の問題だけでなく、労働時間が長いことや、職場の文化、自分の時間がもてない、将来に期待がもてないと感じて仕事を辞めたとの話が印象的でした。

 最近は日本の企業でも「働き方改革」が強く言われ、私たちの学校現場でも長時間労働のことがネット等で話題となり、教職の現場はブラックだと言われたりもします。そのためか、志望者も減っていることから働きやすい環境づくりが強く求められています。バブルが始まった頃、テレビのコマーシャルでは某社の栄養ドリンクのコマーシャルソングが「…勇気のしるし24時間戦えますか…はるか世界でたたかえますか ビジネスマ~ン ~ビジネスマ~ン ジャパニーズビジネスマ~ン」なんて、勇(いさ)ましくテレビに流れていた時代でした。今の時代ではちょっと考えられないコピーですが。

 本校でも働き方、時間の使い方を考える取り組みとして、来年度の生活時程を現在検討中です。授業時数は変わりませんので、放課後の部活動時間の扱いが中心になります。外部の方の協力を得て、地域活動として機能するまではまだ、時間がかかると認識しています。今後も教員が異動によって入れ替わる中で、五中に今ある部活動を継続していくためには、時間の短縮を図ることが必要と考えます。昨年7月に5時下校とした際のアンケート結果では、「良かった」と答えた生徒や教員が多かったです。そのような結果も踏まえ、この3月に2週間程度試行期間を設けた上で4月から新時程を実施する予定です。決定しましたら生徒への説明と保護者の皆様に報告いたします。ご理解のほどよろしくお願いいたします。

                                                   正解)(1)中国 (2)ロサンゼルス

 

更新日:2023年02月16日 14:13:04