令和2年度 第9号

○協調と同調            校長  和田 孝

 「協調」とは性格や意見が違う人が、お互いに譲り合って和することです。「同調」とは他の人に意見や態度を合わせることです。協調には折り合いをつけてお互いの考えを擦り合わせながら作り上げる意味がありますが、同調には自分の考えを伏せて他者へ合わせる意味があります。

 さて、歌唱には3種類あります。独唱とは一人で歌うことです。カラオケでもどこでも好きな曲をいつでも口ずさめます。斉唱は一つの旋律を皆で歌います。各国で国歌を歌うとき、それぞれの国民は一つの旋律を歌うことによって心を一つにします。合唱は複数の旋律を皆で歌います。合唱では2つ以上の異なる音が同時に響き合うので、心地よく聞えるような調和が必要になります。これをハーモニーといいます。それぞれの旋律で音が少しずれるとハーモニーが心地よくなく、不協和音となります。不協和音はここから意味が広がり、互いに歩み寄れない状態を意味する熟語になりました。

 多くの学校で斉唱コンクールはありませんが、合唱コンクールは催されます。これは、合唱を通して友人と協力しようという気持ちをはぐくみ、協調性の芽生えを促すためです。生徒の皆さんはやがて社会に出て仕事をするようになります。社会人になると色々な人(国籍や言葉の違う仲間にも出会うでしょう)とチームを組んで仕事をします。部活動や体育大会、合唱で学ぶ協調性はこれからの国際社会で必ず役立ちます。

 今年度は新型コロナウィルスのためハミングホールでの合唱コンクールは開けませんが、校内で観客のない中でミニ合唱コンクールを行います。

 合唱をとおして心のハーモニーを奏でて欲しいと思います。

 

合唱コンクールの練習風景

更新日:2020年10月21日 13:39:12