令和2年度 第14号

〇 graduation   校長  和田 孝 

 英語では卒業をgraduationと記します。この英語の語源は古代ローマ帝国で使われていたラテン語のgradus(グラドゥス)です。「階段」や「段階」という意味です。階段を一歩ずつ上る意味合いがあります。一方、漢字の「卒」は「終わる」や「尽きる」という意味があります。卒業をアルファベットと漢字の二つの文化でとらえると、興味深いです。

 「卒業」という国語で考えると、義務教育を終えて学びが完結した様子がうかがえます。「graduation」という英語で考えると、もう一段踏み出して、新たな学びに臨む姿勢がうかがえそうです。

 国語と英語を考え合わすと、義務教育の段階を学び終え、次の段階の学びに向かう節目として卒業(graduation)があると考えられます。

 私たちは教科等の学びだけではなく、日々、人とのかかわりの中で知識を広げ、考え方や感じ方を深め合い、一段一段、成長していきます。この成長は一生続くもので、ゴールはありません。卒業式は終わりであるとともに始まりでもあります。

 1・2年生は次の学年での学びに備え、3年生は義務教育9年間での自分の成長を振り返り、4月からは新たな成長を目指しましょう。

 

更新日:2021年03月24日 09:09:25