令和2年度 第13号

○逆風             校長  和田 孝

 逆風というと、自分の前に壁があって苦しい状況におかれている様子が想像できます。しかしながら、とらえ方で状況をプラス思考にすることができます。

 今から75年前に第二次世界大戦がありました。当時、英国にはナチスから国を守った首相が居ました。歴史上の人物は見立てる位置(国や地域、時代)によって評価が異なるので、客観的に彼の言動で今の時代に生かせるものを紹介します。彼は「Kites rise highest against the wind - not with it」という言葉を残しています。和訳すると「凧は風に向かっている時に一番高く上がるもので、風に流されている時でない。」となります。

 逆風の中にいると、しんどかったり心が折れそうになったりして、くじけそうになります。ですが、逆風の時こそ自分を高められる機会でもあります。風に巻き込まれると、砂が目に入って何も見えなくなり不安になります。そのような時は明日、1週間後、1ヶ月後を想像して乗り越えた自分を思い浮かべましょう。凧糸が固く張り、凧が空高く昇る様子です。

 1・2年生は進級し、3年生は卒業します。新たな出会いが増え、自分の考え方と違う友人が増えることでしょう。考えが衝突して嫌な思いをするかもしれません。まさに逆風の状況です。ですが、見方を変えれば異なる考え方を知る機会でもあります。自分の価値観が広がり高められます。他者と折り合いをつけながら自分の考えを伝えるコミュニケーション能力を身に付けることが、これからの皆さんにとって大切になります。

更新日:2021年02月19日 15:38:37