令和3年度 第8号

〇役に立たない話ほど面白い       校長  和田 孝

 新聞に長野県信濃町で森を整備する財団の名誉顧問である 松本 義信 さんという方の記事がありました。84歳の方ですから人生の大ベテランです。林業を営んでいたので、山の木々について詳しい方です。彼は特別支援学校や東日本大震災で被災した子供を招いて、自然の魅力を語っています(原文のまま)。「信濃町には85種類の木があるんだ。ミネザクラってあるけど、花の咲き方がヤマザクラとわずかに違うんだよな。だけど、そんなこと知ってたからって役に立つわけじゃない。役に立たない話ほど面白いんだ。役に立つ話しってのは、利害関係が絡むから面白くないんだ。いろんな人が山の花や木の無駄話しに全国から来る。」

 生徒の皆さんは毎日様々な教科を学びます。そもそも疑問に思いませんか。数学の比例・反比例や因数分解、三平方の定理は何の役に立つのでしょうか。国語を学ばなくても日常会話に困りません。社会科で歴史を学んだり理科でイオンを学んだりして何の役に立つのでしょうか。結論を言えば、私たちの日常の生活で役立っているのですが、それはあとから分かることであって、将来役に立ったと思える教科はごく一部かもしれません。今、大切なことは興味をもって学ぶことです。10年後、20年後、30年後に他者とつながる知識となり、人生が豊かになります。

 人と無駄話ができるくらいに知識を増やし、考える力を習得しましょう。

 

更新日:2021年11月17日 09:23:50