平成31年度 第15号

○卒業式式辞     校長 和田 孝

 卒業生の皆さん、ご卒業、おめでとうございます。

 私の前には92名の卒業生がいます。その清々しい姿は希望にあふれています。未来という言葉がとても似合います。

 私たち第五中学校の教職員一同は、皆さんが巣立つこの瞬間の喜びと寂しさを噛みしめているところです。

 さて、今日(きょう)は皆さんの門出にあたり、舞台にあるこの書を主題にして、教員を代表して最後の授業を行いたいと思います。

 この書は三千年前の中国の文字です。私たちが使用しているある漢字の原型です。

 書の右には、大きな斧が示されています。上の二つの角のようなところが斧の刃になります。中央に口のようなものがあります。これは「さい」と呼ばれる器です。神への祈りの言葉を入れる器を示しています。この器の上に斧を乗せ、器の中の祈りを閉じ込める様子を表現しています。いにしえの中国の人は、こうしておくと神が夜、ひそかにやってきて、その祈りに応えてくれると考えていたようです。そして、器の下に「心」という漢字の原型が付き足されています。この心は神の御心で、神が祈りの言葉を見て心を動かすことから「感じる」という漢字ができました。  

 卒業生の皆さんは、この三年間、授業で話を聞いたり発言したり、季節の香りを感じたり、さらには宿泊行事で自然や歴史に触れたりと、自分の体と感覚を使って日々の生活を感じとってきたことでしょう。この感覚を研ぎ澄ましていくと、心が活き活きと動きだし、これからの人生を生きる実感が湧きあがってきます。卒業生の皆さんには、自分の感覚を信じて次の世界へ歩み出して欲しいと思います。そのためには、周りに流されずに自分の考えをもって生活する心構えを大切にしてください。心構えとは行動の基となる態度のことで、信念と言います。信念は日々の生活の中で強く印象に残る体験で得ることができます。体験をとおして得られた学びや考え方は自分の奥深くに浸み込み、固く信じて疑わない心となります。この体験を得るためには、新たな世界で積極的に行動して新たな学びや考え方に出会う機会を増やすことが大切です。

 自分の感覚を信じて歩み出し、心豊かに未来を切り拓く皆さんの活躍を願ってやみません。

 結びとなりますが、本日はご臨席賜ることができませんでした地域の皆様、保護者等の皆様におかれましては、今日(こんにち)まで子供たちを温かく見守っていただいたことに深く感謝申し上げます。ここにいる92名の子供たち一人ひとりの存在が、地域社会にとって未来を担うたくましい力になることを願い、私の式辞とします。

 

 

 

更新日:2020年03月25日 11:24:39