令和2年度 第2号

○正射必中      校長  和田 孝

 日本には弓道という武道があります。平安時代頃から発展して来たもので、鎌倉時代には、心身を鍛える武術となりました。矢を的に当てるためには「射法八節」という八つの基本動作があります。動作の一つに「引き分け」があります。矢は弓を左右均等に押し引きしないと的に当たりません。弓道では右手を勝手、左手を弓手といい、初心者は勝手(右手)に力が入りすぎて引き分けできません。ここから他者と折り合いをつけられない「自分勝手」と押し引きして勝負がつかない「引き分け」という意味へ広がりました。この勝手(右手)には、弓弦から親指を保護する「かけ」という道具を着けます。かけは使い込んで自分に馴染ませることが大切です。替えのきかない大切なものであることから、「かけ替えのない」という言葉ができました。動作や道具を大切にすることで正しく射ることができ、必ず的に当たります。また、的には霞的と星的の二つがあります。星的の中心にある黒丸のことを「星」と呼び、ものごとの勢いを表す「図」(図々しい)という漢字と結び付けて、「図星」という熟語が生み出され、的を得るという意味に広がりました。

 学校は休業が続いています。生徒の皆さんは学校で友人と学んだり運動したりすることを望んでいると思います。ですが、今は外出するなどの自分勝手な行動を慎む時です。かけ替えのない命を守るために社会のルール(=基本動作)を守って、全ての人が日常の生活に戻ることができるようにもうしばらく我慢しましょう。私が話すまでもなく、本校の生徒が今すべきことを理解していることは、図星ではないでしょうか。

更新日:2020年05月19日 13:32:08