令和3年度 第12号

〇卒業式式辞  校長 和田 孝 

 卒業生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。

 私の前には92名の卒業生がいます。その清々しい姿は希望にあふれ、未来という言葉がとても似合います。

 私たち第五中学校の教職員一同は、皆さんが巣立つこの瞬間の喜びと寂しさを噛みしめているところです。

 さて、今日は皆さんの門出にあたり、十年後の未来について、お話をしたいと思います。

 今、皆さんは社会が激しく変化する中で生活をしています。この変化は、加速度的に進むようです。まず、身近な家電製品をとらえてみます。スマートフォンは製品化されて十年が経ちました。次の製品として、スマートグラスが注目されています。眼鏡と同じ形で、目の前にテキストが表示され、画像は外の景色に合わせて表示されます。操作は視線で行うので、持つという動作が無くなります。洗濯機はランドロイドが既に製品化され、すすぎと乾燥の後、畳んで仕分けまでします。液晶ディスプレイは、巻取りディスプレイとして紙のように薄くなります。タブレット端末やノートパソコンが、紙になるイメージです。

 もう少し大きな身近な物として、自動車があります。国内メーカーでは4年後の2025年に全車種を電気自動車やハイブリッド車にするとしています。自動運転についても実用化が進み、宅配の在り方が劇的に変わりそうです。引き出しの付いた自動運転の小型のトラックが電子メールで自宅に来たことを皆さんに伝え、トラックの引き出しから荷物を受け取るシステムになりそうです。多摩都市モノレールは8年後の2030年に箱根ヶ崎までつながることが決定されていて、自動運転になるのかも知れません。

 さらにスケールの大きな宇宙開発をとらえてみます。アメリカ航空宇宙局(NASA)では、6年後の2028年に、再び人類を月面へ送り、調査するとしています。調査を支えるために、月を周回する宇宙ステーションの建設も行い、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が参加します。11年後の2033年には、人類を火星へ送る計画になっています。

 卒業生の皆さんは、9年間の義務教育の中で、授業や学校行事、校外学習を通して、多くのことを学んできました。この学びを糧として、さらに学びを広げ深め、新たなことに興味や関心をもって欲しいと思います。ここでお話したことは20年後や30年後のことではなく、卒業生の皆さんが二十代の頃のお話です。未来は開けています。夢や希望をもって、想像力を豊かにして、これからの人生を力強く歩んでください。

 結びとなりますが、保護者等の皆様におかれましては、今日まで子供たちを温かく見守っていただいたことに深く感謝申し上げます。ここにいる92名の子供たち一人ひとりの存在が、地域社会にとって未来を担うたくましい力になることを願い、私の式辞とします。

更新日:2022年03月25日 11:07:39