令和3年度 第3号

○型破りと形無し          校長  和田 孝

 「型破り」とはありふれた型を破っていることです。「形無し」とはものごとが行われた跡がないこと、効果がないことです。同じ音(おん)の「かた」ですが、「型」と「形」で意味が異なります。「型」は決まったやり方や伝統的なしきたり、「形」はものの姿や格好、かたちのことです。

 歌舞伎役者の十八代目 中村 勘三郎 さん(故人)は、「型があるから型破り、型がなければ形無し」という言葉を残しました。伝統文化の継承は、稽古に励み精進し続けることで型を身に付けることです。型を身に付けて初めて型を破り、新たな文化を作ることができます。型を身に付けずに型を破ろうとすると形無しとなり、姿や格好等の表面をなぞるだけのものとなります。

 さて、生徒の皆さんは4月からの新たな生活に慣れてきたことと思います。1年生は五中生としての型を身に付けようとしていますか。代々の卒業生が作り上げてきた五中生の型の理解が大切です。「なぜ先生は細かいことまで注意するのだろう…」「なぜ先輩は学校行事に多くのエネルギーを注ぐのだろう…」と疑問をもつと思います。そのような時は考えを深め、探究してください。2年生は形無しと言われないように、いま一度五中生の型を問い、3年生は五中生の高みを目指して型破りをしてください。

更新日:2021年07月02日 12:24:49