令和2年度 第11号

○一寸先は光         校長 和田 孝

 上方(京都)いろはかるたに「一寸先は闇」という札があります。一寸とは長さの単位で約3センチです。3センチ先が闇というのですから相当暗いです。意味は「少し先の未来でも全く分からないもの」というものです。果たしてそうでしょうか。3年生は都立高等学校の推薦に基づく選抜日まであと32日です。学力検査に基づく選抜日まであと58日です。「合格しよう」というめあてのために学習計画(=目標)をたてて努力していることと思います。夜、受験勉強している時に夜空を見てください。真っ暗な空に多くの星が輝いています。輝く一つひとつの星を皆さん一人ひとりのめあてととらえてみてください。その星々を線で結ぶと星座になります。星座は88個あります。この数字の8を横に倒すと「∞」(=無限)になります。宇宙には1026個(26桁)の星があるので、まさに∞に迫る数です。3年生の皆さんのめあては闇の中に淀んでいるのではなく、無限に輝いています。

 さて、輝く星には色があります。私たちは日常で、反射する色と発する色の二種類を見ています。反射する色では、赤は赤以外の光を吸収して赤色の光を反射するので赤く見えます。ここに青を同量混ぜると、それぞれの反射が半分になって少し暗い紫になります。さらに緑を加えると、光の反射が無くなって黒になります。光の場合は反射ではなく色を発するので、混ぜれば混ぜるほど明るくなります。三色混ぜると白になります。本校の校歌に「光は希望、光は未来」とあります。1・2年生も含めて、本校の生徒の一寸先は光に満ちています。

 よい年末年始をお過ごしください。

更新日:2020年12月25日 14:54:07