【タイトル】

令和6年度 第4号

【本文】

きまりを考える                     校長 住吉 豊    先日会議のため市役所に出張した時のこと。ちょうど都知事選のための選挙ポスターが市役所の掲示板に貼られていたのですが、今まで見たことのない景色にびっくりしました。ニュースでは聞いていましたが、私の生活圏では見たことが無かったので、これのことかと思いました。皆さんの中にも「選挙の掲示板をこんな風に使うなんてありえないだろ」と思った方は他にもいたと思いますが、割り当場所の分を一般に売って(寄付?)いるのだとか。また、それをコマーシャルや家族の写真を見せるために買う人がいるのだとか。なんともはや・・・。代表の方は、「法律(公職選挙法)には何ら違反しておりません」とコメントしていました。  そういえば、学校が荒れていた20代の頃、髪をバリバリに染めたり、服装が乱れていたりした生徒を指導した際、「きまりに無いじゃん」(=だから文句ないだろ)と言い返されたこともありました。きまりのすき間をついて、いたちごっこが多かったような気がします。そんな40年近く前の子供とのやり取りを思い出しました。新聞では、今回の選挙広報の状況を踏まえ、新しい法律を作るのだとか。以前なら法律に定義されずとも「モラル」があって、自己判断していたと思うのですが、このようなことが起こる国は他にもあるのでしょうか。それとも法律が細かくて、やりたくてもできないのでしょうか。  先日、生徒と保護者の皆様に、五中のきまりへのアンケートを行いました。服装、髪型、持ち物について、声には出ないけどどのように考えているのか。保護者の方からは「厳しすぎるのではないか」という声もいただく中、どのようなきまりなら生徒が自分たちで互いに向上できる集団が作れるのか。生活を送ることができるのか。五中が荒れていた時代を知っている方からは、「生徒に任せて大丈夫なのか」と心配する声も上がりますが、「自分で考えて判断し、正しい行動ができる生徒」というのは私の五中生に求める目標でもあります。判断を誤ることもあるかとは思いますが、そこを踏まえた上で考えさせることも必要なのかと。教師がきまりを緩(ゆる)くして、単に与えることは簡単です。でもそれでは自身の責任や義務に考えが及ぶことは少ないと考えます。 2学期は生徒会を中心に、昨年みんなで考えた「五中生徒憲章」を柱に、クラスでもお互いの意見を出し合いながらきまりについての考えを深めさせ、決まったことはきちんと責任をもって行動する生徒になるようにしていきたいと思います。 まずはもうすぐ夏休み、生活のリズムを崩さず、勉強に部活に、それぞれの目標に向けて頑張ると共に、ご家族と過ごす有意義な時間にしてもらえればと思います。始業式に一回りたくましくなった生徒の皆さんと会えることを楽しみにしています。


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