【タイトル】
令和5年度 第2号【本文】
そこに今見えるものが事実とは限らない 校長 住吉 豊 先日お配りした「東大和うまかんべえ~祭・特集号」(日刊スポーツ社作成)にも掲載されましたが、今本校では生徒会本部が中心になって、「五中生徒憲章」の策定に向けて取り組んでいます。この生徒憲章というのは、本校の屋上に掲げられているスローガン「光る五中」が言葉だけで終わらないように、理想とする五中生の姿を生徒一人一人が具体的に考え、言葉という形で示して生活の柱にしようという取り組みです。目指す理想とする五中生の姿が定まれば、それに沿って生活の決まりなどについても生徒と共に考えていきます。 1回目のアンケートで寄せられた声を元に、より具体的なものを学級で討議しました。これを元に原案を生徒会本部が作成し示すことになると思います。手間のかかるやり取りですが、民主的な手続きを踏んで意見を形にしていくことを学んでほしいと思っています。 さて、「そこに今見えるものが事実とは限らない」という題ですが、ちょっと思わせぶりな題でした。実は以前理科の授業で天体の学習をしていた際に話した言葉です。宇宙の広がりは依然未解明のことが多いだけに夢のある話題が多いです。宇宙の果ては外側に行くほど加速して膨張しているとか。以前には、この見える宇宙と同じ様な世界が何層にも存在するのだという仮説もありました。そのような壮大な話ではなく、星を見た時にきらめく夜空の星の輝きは、遠い星では何万年~何百万年も前に、その星から発出された光が今私たちの目に届いたのだと授業では学ぶわけです。今きらめいて見える夜空の星が、果たして今もそこに存在するかどうかはわかりません。もし、見ていて「ふっ」と星の明かりが消える場面に遭遇したならば、その星がもしかしたら何十・何百万年か前のまさに消滅した瞬間を今見たのかもしれないと。そんな話をしていると生徒はちょっとびっくりします。星の誕生の話はわかったとしても、宇宙そのものの始まりはなかなか想像できないわけで、この時ばかりは宇宙の創造は神によるものだろうかとか、それともそこに生きる私たちがミジンコのようなもので、もっと大きな世界がその先にあるのでは。等と話す子供もいるわけです。 以前朝礼で新聞紙の話をしたことがあります。『各新聞社の1面にはその新聞社がその日の一番伝えたいニュースを書きます。同じニュースが掲載されていたら、読み比べてみてください。同じ「もの」「こと」でも書き方によっては、ずいぶんと印象が変わります。だから、自分の目で、耳で捉えたものを、頭でしっかりと考えることが大事です。』というような話でした。SNSの情報をうのみにして騙(だま)される。フェイクニュースが情報戦として、戦争の一つの手段にもなっている現在、「本当にそうなのかな?」と考えてみること。他にエビデンス(証拠)を求めて調べてみることは、すごく大事だと思います。そのような知恵のある賢い子供を育てたいと思います。【添付ファイル】
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