令和2年度 第8号

○適材適所       校長  和田 孝

 

 ビジネスの世界では、社員をその人のもつ能力や特徴に応じて相応しい仕事に配置します。これを「適材適所」といいます。この言葉は宮大工の仕事から生まれたものです。神社・仏閣は数百年~数千年以上の寿命をもつ木造建築です。この千年にも及ぶ風雪に耐える建物を作るためには、様々な木材を組み合わせる必要があります。それぞれの種類や違った環境で育った木々には「木癖」があり、建物のどの部分で生かしきるか木の性質を見抜く「選定」の作業が大切になります。土台には腐りにくく耐久性のある檜や栗、柱には木目の美しい杉、屋根や梁には丈夫な松をあてます。これこそが「適材適所」です。

 さて、生徒の皆さんは日頃から自分の強みや良さを生かしていますか。そこで、フリクション・ノート(自分磨きノート)を作ってみたらどうでしょうか。お気に入りの小さなメモ帳へ先生や友人から褒められたことを毎日記録します。時には失敗したことを書くのもいいでしょう。人は自分の欠点に気付きやすく、良さを見つけづらいようです。意識していないとマイナス思考になります。記録することで自分を客観的に見られるようになり、気持ちをコントロールしやすくなります。書くことでその日の出来事が整理できます。繰り返して読み直すことで自分の変化が分かり、自己評価が上がります。但し、失敗したことを振り返るときは反省してはなりません。内省をします。反省は自分の弱み探しになりかねません。内省は客観的に自分を見つめ直すので成長につながります。皆さんが生かされる場所はたくさんあります。

 自分の良さをとらえましょう。

更新日:2020年09月24日 14:39:00