令和2年度 第7号

○誰にでもある才能         校長 和田 孝

 将棋を職業とする人を棋士といいます。国内には160人余りいます。その中で様々なタイトルを得た達人として、現在も活躍している 羽生 善治 さんがいます。彼は社会から才能があると認められていることに対して、「以前私は、才能は一瞬のひらめきだと思っていた。しかし今は、10年とか20年、30年を同じ姿勢で情熱を傾けられることが才能だと思っている。」と言っています。前号でお話ししたエジソンも「私はこれまで、偶然のひらめきで発明をしたことなど一度もない。全ての発明というのは、その発明に関わった人の想像を絶する熱意が注ぎ込まれている。」と同じことを言っています。辞書で「才能」を調べると、「一定の素質や訓練によって得られた能力」とありますが、この二人からは才能とは、「継続できる情熱」ということが分かります。また、フロリダ州立大学のエリクソン教授は、音楽やチェスなどで力を発揮するプレーヤーは「限界的練習」に取組んでいることを発見しました。自分にとって居心地のよい状況から飛び出して、限界から少しだけ超える負担をかけ続けるというものです。トッププレーヤーに共通の遺伝的な特徴は見つかっておらず、生まれつきの才能はないと結論付けています。

 さて、2学期になりました。暑さが続きますが、皆さんは「今日はここまでにしよう。」と居心地のよい状況に毎日留まっていませんか。数で言えば1の状態です。毎日の1を積み重ねても、1✕1✕1✕・・・✕1=1で成長しません。毎日+0.01でいいので負担をかけ続ければ、1.01✕1.01✕・・・無限に成長します。自分に負担をかけ続ける力が才能です。

 

更新日:2020年08月27日 11:04:15